フランスの観光スポットと言えば?!
皆さんは何を思い浮かべますか?
ほとんどの方は、世界遺産のモンサンミッシェルやパリのルーブル美術館、ヴェルサイユ宮殿が真っ先に浮かぶかと思います。
そして!?
今回ご紹介するサン・シュルピス教会(Église Saint-Sulpice)は知名度こそ低いものの、ここ最近になって注目されている穴場スポットです!!
私自身、サン・シュルピス教会について実際に訪れるまで何も知識がありませんでしたが、はじめてフランス旅行4泊5日の観光をした際に、「訪れて良かった観光スポット」の1つとなったので、皆さんに詳しく紹介したいと思い、本記事を書くことにしました。
特に、このような方にお勧めです!
前半ではサン・シュルピス教会の歴史とちょっとした豆知識、そして後半ではサン・シュルピス教会に展示されている芸術作品の見所と観光情報についてご紹介します!!
本記事が少しでも参考になれば幸いです。
サン・シュルピス教会について
サン・シュルピス教会では、ドラクロワのフレスコ画『天使とヤコブの闘い』やダヴィンチコードの映画に登場する『グノモンの日時計』、そしてミサの時間に美しい音色を奏でる「世界最大級のパイプオルガン」など多くの芸術作品に触れることのできる、見所満載の教会です。
サン・シュルピス教会の歴史
まずは、サン・シュルピス教会の歴史についてお伝えします。
分かりやすく説明するつもりですが、かなり波乱万丈な教会です、、、
1646年にルイ13世の王妃であるアンヌ・ドートリッシュの命によって、聖シュルピスに捧げるカトリック教会として建築が開始します。
が!?
資金不足や設計変更が幾度なく行われたことで工事は何度も中断となり、6人の建築家によって1745年にようやく完成となります。
つまり、実に約100年も建設に費やされたことに。
完成後は教会としての役割を担ってましたが悲劇は続きます。
今度は1762年に火災が、1770年には落雷によって修復作業が繰り返されることに。
そして、フランス観光でも人気の観光スポット、エトワール凱旋門の設計に携わった、シャルグランによって修復完了。
ようやく終わりかと思いきや、、、
今度は普仏戦争(1870年−1871年)で北塔が損傷、修理工事は100年後の1999年から始まり最終的に現在の姿になったのは2011年、ここ最近となります。
17世紀から21世紀の現代まで、時代を越えて堂々と佇むサン・シュルピス教会にどこか荘厳さを感じるのは歴史を知れば、一目瞭然です。
サン・シュルピス教会の豆知識
ここでは、知ればなるほど!と思える豆知識を紹介します!!
パリで2番目に大きな教会
実はあまり知られていませんが、サン・シュルピス教会はパリで2番目に大きな教会です。
パリで1番目に大きな教会は?
フランスで最も有名な教会「ノートルダム大聖堂」です!
2番じゃ注目されないかもしれませんが、、、
サン・シュルピス教会は、最長部で高さ34m、幅58m、奥行き113mとノートルダム大聖堂より僅かに小さいだけで、全くもってご立派です!そして!?
先ほどの歴史の説明で現在の教会の姿が完成形と伝えましたが、実は北塔と南東の高さは微妙に違います。
南塔が68mで5m、低くなっているとの事。
※写真左が北塔です。
言葉が矛盾しますが、
未完のまま完成していることになります。司教座聖堂に認定(臨時)
記憶に新しいかと思いますが、ノートルダム大聖堂が2019年の大火災によって現在も修復中の為、パリでの重要な宗教的行事はサン・シュルピス教会で執り行われています。
司教座聖堂とは??
聞き慣れない言葉ですが、
司教座聖堂とはカトリック教会の教区の中心となる教会の聖堂のことです。◯◯大聖堂と呼ばれる教会は全て、教区にあるカトリック教会の総本部となります。
元々はノートルダム大聖堂に司教が座る「司教座」が置かれていましたが、修復が完了するまでサン・シュルピス教会が臨時の司教座大聖堂に認定されています。
そのためか、2019年に死去されたジャックシラク大統領の国民葬儀が行われた場所でもあります。
そして!?
ヴィクトル・ユゴーを知ってますか??
著書『レ・ミゼラブル』で知られるフランスを代表する小説家であり詩人です。
教会と言えば葬式というより結婚式のイメージの方が強いと思いますが、彼が結婚式を挙げた場所はこちらのサン・シュルピス教会です。
ヴィクトル・ユゴーの亡くなった時代のサン・シュルピス教会は司教座聖堂ではありませんが、偉大な作家の葬式が執り行われるほどの規模の教会であることが伺えるかと!
ナポレオンが皇帝に即位する布石となった教会
ナポレオン・ボナパルトといえばフランス皇帝として知られていますが、彼が皇帝に即位できたのは、「ブリュメール18日のクーデター」が成功したからでもあります。
ナポレオンが首謀したクーデターではありませんでしたが、当時の民衆から人気を得ていた彼を神輿に担いで、こちらのサン・シュルピス教会で総勢700人にも及ぶナポレオンを祝福する宴が開催されました。
まさに「棚ぼた」ですが、1799年に総裁政府の実権を握っていたシエイエスが首謀したクーデターは成功し、そこで民衆の後押しもありナポレオンは議長となり、さらに第1コンスルとなったことで5年後の1804年にナポレオン1世として帝政を敷くことができました。
ちょっと大げさかもですが、このクーデターが成功したことでナポレオンは皇帝になれたので、「宴」の効果もそれなりにあったはず!
ちなみに、
ナポレオンはエジプト遠征での敵前逃亡罪の嫌疑がかかっており、クーデターが失敗に終わっていたら「死刑」の可能性が高かったとされています。見所1:ドラクロワのフレスコ画
サン・シュルピス教会の最大の見所は、
ドラクロワのフレスコ画になります!ドラクロワは19世紀フランスのロマン主義を代表する画家です。
ですが、、
そもそもドラクロワって誰??
そのように思う方も多いはず。。
ただし!
名前は聞いたことがなくても、こちらの絵画は知っているはず!
見覚えありませんか??
学校の教科書で見たことがあると思いますが、ドラクロワの代表作『民衆を導く自由の女神』です。
こちらは1830年に起きたフランス7月革命を題材としており、ルーブル美術館に所蔵されています。
そして!?
サン・シュルピス教会では、
ドラクロワのフレスコ画が3点も展示されています!美術館に展示されていてもおかしくない作品を本来の意図された形で鑑賞することができるので、美術館とは違った感動を味わえます。
フレスコ画とは壁に直接絵を描く技法のひとつで壁画のことです。
生乾きの壁に顔料を水で溶いて絵を描き、壁の乾燥によって定着させています。
ドラクロワの「天使とヤコブの闘い」
教会に入ってすぐ右側のサンタンジュ礼拝堂にドラクロワのフレスコ画『天使とヤコブの闘い』は飾られてます。
あまりにも巨大すぎて、写真にうまく収まりません。。
ドラクロワ晩年の傑作ですが、教会に入ってすぐの場所に平然とあってかなり驚かされました。
作品について簡単に補足すると、「天使とヤコブの闘い」は旧約聖書を主題にしており、創世記32章にある一場面が描かれています。
※左側が天使で右側がヤコブです。
作品を見るとちょっと左側の天使が優勢に見えるかもしれませんが、結果はヤコブの勝利!
この闘いに勝利したことで、ヤコブは天使からイスラエル(神と闘う人)と名乗ることを許されたと旧約聖書に書かれています。
イスラエル??
国名のイスラエルと同じですが、
実は、イスラエルの語源はヤコブの名前が由来になっています。イスラ・エル(Ysra-el)は、イスラエル12族の族祖であるヤコブに授けられた名前であり、その子孫もまたイスラエル人と呼ばれたことでイスラエル建国の際には国名として使用されています。
見所2:ダ・ヴィンチ・コードの映画ロケ地
サン・シュルピス教会の見所はドラクロワのフレスコ画だけではありません!
続いて紹介するのは、ダン・ブラウンの世界的なベストセラー小説『ダ・ヴィンチ・コード』にまつわる芸術作品です。
冒頭で、サン・シュルピス教会は最近になり注目を集めていると紹介しましたが、「ダ・ヴィンチ・コード」が大ヒットしたことで、サン・シュルピス教会は映画ロケ地としても有名になりました。
私は小説は読まないので映画で観ましたが、作品自体が興味深い内容なので謎解き系が好きな方はハマるはず!
パリ観光で必見のスポットが多数登場するので、旅行の前に映画鑑賞するとさらに楽しめると思います。
グノモンの日時計
サン・シュルピス教会には『グノモンの日時計』が保管されており、映画ダ・ヴィンチ・コードに登場します。
グノモンとは、古代ギリシア語で「指示する者」「識別する者」の意味であり、太陽の影を落とすこちらの投影棒のことを指しています。
古代エジプトのオベリスクも同じように日時計の役割を果たしていましたが、サン・シュルピス教会にあるグノモンの日時計は教会の鐘を正確に鳴らすために実際に使われていたそうです。
グノモンの真ん中に1本の線が見えると思いますが、こちらは真鍮製のラインで子午線を表しており、映画のなかでは「ローズライン」と呼ばれて登場します。
ただし!?
ダ・ヴィンチ・コードはフィクションです。
残念ながら、実際にはローズラインと呼ばれたことはありません。
また映画の中では異教徒と関係があったとされてますが、こちらもサン・シュルピス教会より全面否定されています。
私自身は映画ロケ地巡りは好きな方で観光の醍醐味の1つだと思っていますが、サン・シュルピス教会はあくまでもカトリック教徒のための教会なので、訪れる際は信仰の妨げになるような行為だけはしないように注意しましょう。
その他の見所
サン・シュルピス教会には他にも見所があります!
教会にはご丁寧にポイントを抑えた案内マップがありました。
こちらの一部を写真付きで一挙に紹介します!!
聖母マリアの礼拝堂
サンシュルピス教会の一番奥にある聖母礼拝堂(Chapelle de la Vierge )は荘厳な雰囲気で静寂に包まれており、中央に輝いて見える聖母子像にも見入ってしまいます。
実はこちらのバロック様式の礼拝堂はサン・シュルピス教会が建築を開始してすぐの1660年には既に完成しています。
少し見えづらいですが、聖母マリアが蛇を足蹴にしている場面が描かれています。
また聖母マリアの左右に4本の柱がありますが、後ろに見える2本は奥行きを表現するために完成した後になって追加されたものになるそうです。
そして、聖母マリアの礼拝堂の丸天井(クーポール)にはフランソワ・ルモワーヌによる『聖母被昇天』も描かれており必見です!
煉獄の魂の礼拝堂
ん?鬼滅の刃??
「煉獄」というワードで現在、絶賛大人気の鬼滅の刃を思い出したかもしれませんが、こちらの煉獄の魂の礼拝堂も必見です!
逆光で見えづらいですが、、
オーギュスト・クレジンガーのピエタも見所の1つ!彫刻家といえば、近代彫刻の父である「考える人」でお馴染みのロダンは知られていますが、オーギュスト・クレジンガーはそこまで有名ではないかと思います。
ですが!?
オーギュスト・クレジンガー(Auguste Clésinger, 1814-1883)はパリのオルセー美術館にも作品が展示されるほどの彫刻家であり、音楽家として有名なショパンのお墓も制作された人物。
私の写真では綺麗に写ってませんが是非、美しい彫刻をご自身の目で見ていただきたい作品です!
余談ですが、
ロダンもオーギュスト・ロダンとなり、名前が同じです!
世界最大級のパイプオルガン
サン・シュルピス教会にあるパイプオルガンは、世界最大級です!
教会の横幅くらいありそうなほど巨大!
約7,300本のパイプと102個の音色選択機構を備えており、ミサの時間に訪れた場合は実際に美しい音色を聴くことができます。
語弊がないように世界最大「級」と伝えましたが、さすがは芸術大国フランス!!
実は、、、
サントゥスタッシュ教会のパイプオルガンがフランス最大を誇り、次いでノートルダム大聖堂の順になるので、フランスで3番目に大きいパイプオルガンとなります。世界最大級に偽りはありませんが、フランス国内においても上には上がおります。。。
説教壇
私はこちらより美しい説教壇を見たことがありません!!
どうですか??
左右の階段に支えられた説教壇は美しすぎます!
他に美しい説教壇を知っている方は是非、コメントで教えて下さい!!
サン・シュルピス教会の詳細情報
■サン・シュルピス教会の詳細情報
■メトロで移動する場合
- 4号線のサン・シュルピス駅( Saint-Sulpice)から徒歩で5分
- 10号線のマビヨン駅(Mabillon)から徒歩で5分
■補足
- 徒歩圏内にパリ最古の教会である「サン・ジェルマン・デ・プレ教会」や、ピカソやヘミングウェイ、カミュなどの芸術家に愛されたカフェレストラン「レ・ドゥ・マゴ(Les Deux Magots)」があります。
- 日曜日のミサの時間帯に訪れた場合、パイプオルガンの演奏が聴けます。
※営業時間は変更になる場合もあるので注意してください。
まとめ:サン・シュルピス教会は見所満載です!
本日はサン・シュルピス教会の歴史から観光の見所までを紹介しました。
フランスだけでなく首都パリにおいても数多くの教会があるなか、サン・シュルピス教会は見所満載であることが分かって頂けたかと思います。
ベストセラー小説「ダ・ヴィンチ・コード」の舞台にもなった教会として、映画ロケ地巡りとして訪れても良いと思います。
ローズラインは架空の説になりフィクションの物語ですが、映画で登場する場所に訪れるだけで胸が踊るはず!
そして、映画版ダ・ヴィンチ・コードは、サン・シュルピス教会だけでなく、フランス観光で人気の観光スポットも登場するのでパリの雰囲気を知ることもできて一石二鳥です!!
是非、映画鑑賞した後に訪れることをお勧めします!
少しでも参考になれば幸いです!
最後まで読んで頂きありがとうございます。
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