セドレツ納骨堂の礼拝堂は人骨で装飾されている?!
みなさんは骸骨教会と聞いてどのようなイメージを持ちますか?
名前の通り、「教会内に何かしらの骸骨の展示があるのでは」と考えると思います。
ヨーロッパには骸骨教会と言われる異様な教会がいくつかありますが、今回ご紹介する『セドレツ納骨堂』はその中で最も規模が大きく、装飾の数々は訪れた方の死生観に影響を与えます。
事前にお伝えすると、
納骨堂にある装飾の「ほぼ全て」が骸骨で作り上げられています。
一部ではありません!!
しかも骸骨はレプリカではなく本物の人骨が用いられています。
今回はチェコの首都プラハからのアクセス方法やセドレツ納骨堂にある骸骨の装飾、そして骸骨教会が誕生した経緯まで徹底的にご紹介します!
骸骨アートと捉えるか、死生観を養うかは皆さま次第です!!
※骸骨(人骨)が苦手な方は閲覧注意です。
チェコの首都プラハからのアクセス方法
セドレツ納骨堂はプラハから東に約70km、クトナー・ホラ近郊のセドレツという都市に位置します。
最もアクセスの簡単な電車で移動する場合、プラハ中央駅からクトナー・ホラ駅まで約1時間で到着します。
※直行便以外に乗り継ぎ経由の路線もあるので注意しましょう。
プラハからクトナーホラ行きの電車は1時間に1本はあるので時間を気にせずゆっくりと観光できますが、日帰りで訪れる場合はプラハまでの帰りの便の時刻も事前に確認しましょう。
クトナー・ホラ駅からセドレツ納骨堂までは徒歩で約15分ほどの距離です。
■補足
クトナー・ホラの街全体は1995年に「クトナー・ホラの聖バルボラ教会のある歴史地区とセドレツの聖母マリア大聖堂」として世界遺産に登録されています。
クトナー・ホラ駅からセドレツ納骨堂まではGoogleマップで問題なく移動できますが、セドレツ納骨堂以外の観光スポットも訪れる場合はクトナーホラ駅構内にツーリストインフォメーションがあるので観光マップが入手できます。
セドレツ納骨堂以外にも「聖バルバラ教会」や「聖母マリア大聖堂」など人気の観光スポットが点在しているので、セットで訪れることをお勧めします。
セドレツ納骨堂の施設情報
営業時間や入場料は変更になる可能性があります。
これから訪れる方は公式サイトを確認してください。
公式サイト
Ossuary | SEDLEC
■地図
■営業時間
【4月−9月】:午前10時〜午後6時
【10月−3月】:午前10時〜午後4時
※12月24日を除く
■入場料
【大人】:90CZK(約450円)
【子供・学生・高齢者】:65CZK(約325円)
■注意事項
- 2020年1月より納骨堂内の写真撮影は禁止されています。
- セドレツ納骨堂は全聖人教会の地下にあります。
観光スポットであると同時にカトリック教徒の聖堂でもあるので不用意な行動は慎みましょう。
骸骨教会『セドレツ納骨堂』について
セドレツ納骨堂はなぜ骸骨教会と呼ばれるようにになったのか?
先に簡潔にお伝えすると、
- 装飾に用いるだけの人骨が大量に保管されていた
- 教会の所有者が大量にある人骨で内装するよう依頼した
ことが要因です。
説明が少し長くなりますが、ことの始まりは13世紀まで遡ります。
当時は修道院墓地として戦死者や伝染病で亡くなった方を埋葬する共同墓地としてごく普通に使用されていました。
そして修道院長であったハインリヒがエルサレムに使節として派遣された際、ゴルゴダの丘の土を持ち帰り、その土を修道院墓地に撒いたことにより一気に状況が変わります。
ゴルゴダの丘はイエス・キリストが処刑された場所として知られており、修道院墓地にその土が撒かれたという噂は中央ヨーロッパ中に広まります。
その結果、修道院墓地は神聖な場所としてセドレツ周辺だけでなく各国から埋葬希望者が続出し、セドレツ墓地は拡大していくことになります。
更に14世紀に入ると伝染病のペスト大流行で約3万人が、15世紀に起きたフス戦争の死者も数千人から約1万人が墓地に埋葬されたとされています。
巨大化する墓地の縮小を図るべくセドレツ墓地に教会が建設されたのは15世紀に入ってからとなり、掘り起こされた人骨は教会地下の納骨堂に収められることになります。
19世紀の中頃までは普通の教会でしたが、教会の所有者であったシュヴァルツェンベルク家が1870年に木彫家のフランティシェク・リントに納骨堂の内装を依頼したことで現在のように変貌を遂げました。
通常であれば木材で制作をするところ、納骨堂に収められていた約1万人の人骨を装飾に用いたことで今日では骸骨教会と呼ばれるようになりました。
セドレツ納骨堂の全貌を紹介
セドレツ納骨堂には約4万人の遺骨が収められていますが、ただ単に納骨されているわけではありません。
そのうちの1万人分の遺骨は納骨堂の装飾として使用されています。
日本人的な感覚で考えると、遺骨を使って装飾を作ることに対して、
- なんて非人道的なことをしているのか!
- 死者を冒涜している!
と思う方も多いと思います。
どのような想いで制作されたのか知る由もありませんが、納骨堂内の壁には『メメント・モリ』と描かれてありました。
直訳すると「死を想え」という意味になりますが、死者を供養する目的以上に、今を生きる私達へのメッセージとも受け取れるのではないでしょうか。
セドレツ納骨堂の外観
セドレツ全聖人教会の入口にドクロマークが描かれています。
ドクロマークのおかげで、こちらにセドレツ納骨堂があるとひと目で分かりますが、外観からは骸骨教会とは全く想像ができない佇まいです。
教会を取り囲むように墓地が建てられています。
そして、セドレツ納骨堂は教会の地下にあります。
セドレツ納骨堂は有料となるので、この先にあるカウンターで入場料は支払って入場となります。
セドレツ納骨堂の入口にある2つの聖杯
地下に降りる前の入口で早速、骸骨でできた装飾を目の当たりにします。
十字架も人骨で作られています。
そして入口の両側には聖杯が装飾されています。
もちろん、こちらも骨としゃれこうべで作られています。
セドレツ納骨堂の納骨室
地下への階段を降りると、右側に納骨室があります。
人骨が円錐形に積まれて保管されています。
これだけでも膨大な数の人骨がありますが、実はセドレツ納骨堂には同じ規模の納骨室が全部で4つあります。
セドレツ納骨堂の製作者の表札
先程の階段を降りたすぐ先にある納骨室の壁には、セドレツ納骨堂の装飾を制作した建築家の名前が描かれています。
こちらも人骨で作られていますが、自分自身の名前を人骨で残すとなれば、この装飾に懸ける想いは相当なものだと感じます。
セドレツ納骨堂のシャンデリア
セドレツ納骨堂で特に有名な装飾がこちらのシャンデリアになります。
人骨で出来たシャンデリアは納骨堂の中央に飾られてあり圧巻です。
こちらのシャンデリアは、人体にある骨格の全ての種類の骨を用いて作り上げられたとの事です。
またシャンデリアの下には4つの小尖塔があり頭蓋骨が階段状に並べられています。
小尖塔はそれぞれ22個の髑髏で作られています。
セドレツ納骨堂のシュヴァルツェンベルク家の紋章
骸骨教会として制作された当時はシュヴァルツェンベルク家の所有であったこともあり、セドレツ納骨堂には紋章も人骨で装飾されています。
遠目で撮影すると人骨で制作されたとは思えません。
そして近付くと紋章が紛れもなく人骨で作られていることが分かります。
右下部にカラスが髑髏の左目を突いている様子が見えると思いますが、カラスはオスマン帝国との戦いのシンボルとされていたこともあり、実際の紋章にも同じように描かれてあるそうです。
その他
セドレツ納骨堂の装飾は全て人骨が用いられています。
そのため花環でさえも人骨です。
他の場所も全てです。
納骨堂には礼拝堂もあるので祭壇も置かれています。
まとめ:人骨で装飾されたセドレツ納骨堂を訪れると死生観が変わります
骸骨教会『セドレツ納骨堂』について紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
納骨堂のほぼ全てが人骨で装飾されており、初めて知った方は驚かれたと思います。
約4万人の人骨が集まるセドレツ納骨堂は「死」について否が応でも意識させられます。
セドレツ納骨堂について「骸骨アートの傑作」と考える風潮もありますが、個人的にはそのような考えには至りませんでした。
死者に魂は存在しないかもしれませんが、時代は違えど約4万人は現実にこの世に生を授かっており、まさか死後に自分自身の遺骨がこのような装飾に用いられるとは思いもしないはずです。
芸術的な美しさを感じる方もいると思いますが、私は訪れた際に笑顔にはなれませんでした。
生きている全ての人間に「死」は訪れるものであり、どのような人生を歩むのか、死生観について考えさせられました。
軽い気持ちで訪れるのも自由ですが、お化け屋敷のような感覚で訪れるのではなく是非、自分自身の死生観と向き合う場所として訪れて頂きたいです。
そして繰り返しになりますが、セドレツ納骨堂はカトリック教会の地下にあり、信仰で多くの方が訪れる礼拝堂もある神聖な場所です。
教会の周りには墓地もあり、家族の死を供養するための場所です。
これから訪れる予定の方は迷惑行為にならないよう注意して観光するようにしましょう。
というわけで本日は以上です。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
では!!
■観光ツアー情報
セドレツ納骨堂までは個人で訪れることができますが、ツアー参加も可能なので気になる方はこちらから確認できます。
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